「私の支配を受け入れるべきだったな、フリオニール」
「…っく…」
霞む視界 あぁ、こんな所で倒れるわけにはいかないのに… 敵が目の前にいるというのに… 俺を蔑んでいる笑い声が微かに聞こえる
そこで、俺の意識は無くなった
「あ、フリオニール。…その様子だと、やられちゃった?」
「…あと、少し…だったんだけれどな」
「罠に嵌ったのか?」
「うっ…!…さ、流石クラウド。鋭いな…」
「も〜フリオニール油断し過ぎッスよ!」
「す、すまない…今度こそ、クリスタルを手に入れないとな!」
「じゃあ、少しトレーニングするか?」
「お、いいッスね〜!フリオニール勝ち抜き戦で!」
「お手柔らかに……、っ!!?」
それは突然 俺の身体を何かが這っている感じがした 不本意だが、慣れてしまったこの感じ… 慌てて俺の身体、周り付近を見渡す 当然だが、何も無い ましてはアイツがいるわけがない …気のせい?
「…?どしたんスか?」
「いや…ちょっと嫌な感じがして…」
「……」
クラウドの表情が少し曇る 何か心当たりがあるのだろうか…? 訊ねてみようかと思った、その時
「っひ、ああぁああああ!!??」
「ぅおわ!?」
「!?」
咄嗟に出てしまった悲鳴 だって、こんな…!
「…ど、どしたん…スか…?フリオニール」
「っや、なんで…ふぅ、ちょ…うぁあ…!」
俺は至って服を着ていて、興奮なんてしていない至って平常だ なのに、何故だろうか 俺の、その…男の部分に、ぞわりとした感覚が離れない この感じ、思い出したくも無いが…アイツに舐められた…時と、同じ、感じ… いやいや。それは無いだろう だって今、アイツは此処にはいないんだ それなのにどうやって俺に触れるというんだ
しかし、考えとは反対にこの感覚はエスカレートしていく
「ちょ、…っふあ!やめろ…って、の!ひゃあ!」
「…クラウド。これって…」
「…恐らく、お前と同じ事考えていると思う」
「だよな…ど―やってこんな離れた所から出来るんスかね?」
「…一つ、仮定がある」
「ひぁ、ああぁ!!嫌ぁ、あう、っやあッ!」
訳の解らない俺を見ながら、淡々と説明していくクラウド
「皇帝に倒されたフリオニールの身体…あれはどうなるんだと思う?」
「そりゃ〜、一度消えて復活するんじゃないスかね」
「フリオニールの相手は?」
「金ピカの魔法使い!罠とか仕掛けてくるフリオニール大好きドSカオス勢」
(な、泣きたい…!)
「そんな相手が、抵抗も出来ない言わば丸裸なフリオニールを目の前にして、どう行動を取ると思う?」
「ん〜、抵抗が無い事をイイことに、あんなことやこんなことしちゃ…った…り………」
「オレの考えている事と同じ事をお前も考えていると思う」
「ふあ、あぁああ!!ちょ、な!れ、せいにっ、話して、ない、で…!た、たす、け、てって…!!」
とても同情している二人を見て、本当に涙が出そうだ…
「…死体でも抱けるって…凄い人なんスね」
「フリオニールなら何でもいいんじゃないか?」
「感度とかは全部生身のフリオニールに返って来るんスね…死して尚愛される、ってやつッスね」
「愛の力とは大きいな」
「っだ、から…!感心して、ないで…!…、!!?ちょ、待て!そんな、まさか…ぁあああ!?」
俺のを弄っていた手が後ろに回り、指が体内に侵入する…感じがする 立っていられなくて、俺はその場にしゃがみ込む 服も鎧も全て纏っているのに、全て曝け出されているような感覚 まさか、パンデモニウムにいる俺の身体…
「フリオニールがいいのなら、向こうに行って止めれるが…」
「う…そ、それ…は…」
正直、抱かれている所なんてみられたくない… だけどこのままじゃ、抱かれていないのに抱かれてしまう 恥か貞操か 究極の選択だ…!
「た、頼む…」
「…ようやく来たか」
「んな!何で俺もここに飛ばされるんだぁああ―――!!!?」
「…だから、言ったろ?向こうに行って、止めれるって…」
「ま、まさか…!?」
「体当たりで受け止めろ」
「クラウドぉおぉおおおお!!?」
「ほう。中々に優秀な選択だ。さぁ、フリオニール。やはり反応の無い身体には面白味が無い。程よく昂ぶってきているであろう?」
「ちょ、嫌だって…!な、クラウド逃げよう!一刻も早くここから立ち去ろう!俺このままじゃ明日のお天道様拝めないって!」
「そんな日もある」
「安心しろ。極上の絶頂を味合わせてやるからな」
「いやぁああああああ!!!」
〜後日〜
「あれ?のばらは〜?」
「そういや最近見てないよなぁ…クラウド、なんか知ってる?」
「天国」
「……(不憫だな)」
******
とりあえず可哀想なフリオニールを書きたかったんだ 最初はどえらい暗い話だったのに…あれ、方向転換いつしたんだろ?
|