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1stDAY
「僕は 君を、殺すよ」
そう云った、お前の瞳は蒼々としていて 美しかった
あぁ…愛しい者に手を掛けてもらえる程、倖せなことがあるだろうか?
この血を、顔を、心を、肉を切り裂くその瞬間の感触を
何時までも忘れられることの無い、記憶として お前の中を侵食してゆけるのだから、な
だがしかし、今は其れを許さない
お前が私を殺したとて、この運命の歪みはお前一人では如何にも成らない状況
ならば、セルジュ、お前が私に殺されればいい
しかし、あぁ、何も本当に殺しはしないよ 安心をし…
そうだね、先ずはお前を連れてゆこう
あの場所へ お前が導かれた、炎の許へ…
私の話を聞いて、お前はきっと、驚いた顔をして、拒絶するだろうね 弱者の集まりな仲間、お前を必死に守るソイツらは、虫ケラの様に這いずり回っていればいいのだ
…お前だけは、特別、なんだよ、セルジュ…
さぁ、おいで 誰も運命には逆らえぬよ
2ndDAY
愛しいお前が傍に居ると考えただけで、私は今にも昇天しそうだよ
傍に居て、それ以外は何も望まないから…
それなのにお前ときたら、此処から逃げようと暴れて、研究員が困っているじゃないか
仕方ない 少し重い罰を与えよう
運命に愛されている事に気が付かないことへの罰を、な
3rdDAY
両手足の腱を切ったことで、セルジュは逃げる手段を失くした
私が求めれば、其れに応じてくるようにも…
生気を失ったのか、と思えばそうではないらしい
あの瞳は今でも輝いている 私の好きな、色に
流石、運命に愛されている者だけある 壊れることの無い人形、か?
あぁ、最高の気分だ
私が与える痛みと快楽に、お前は必死に声を抑えて瞳を瞑り私を見ないようにと、其れが余計に煽る結果となるのを知らないで…
セルジュ…お前と同じ身体に、同じ腕に抱かれる気分はどうだ?
歯を食いしばっている其の唇へと、私のを重ねる
舐めてみれば血の味がした 舌を捻じ込ませれば、追い出すかのように歯と舌で壁を作る
あぁ、なんて愛しいのだろう
私に反応するセルジュ この世界では、セルジュにとって私が唯一の人
さぁ、セルジュ…壊れるまで、愛してあげるから…
4thDAY
今日はお前の其の声を、私の物にしよう
いくら酷く抱いても、どうせ、お前は声を上げてくれないのだから、ね
助けを求める手段がもう一つ隠れていたとはね 気が付かなかったよ
綺麗な舌、並びの良い歯
声が聞けないのは少し寂しい気もするが、お前は此処にいるのだ
お前が居れば声など容易いもの… そっと、舌に指を伸ばす
さぁ、おいで
痛みが無いように、優しくしてあげるから、ね
5thDAY
さぁ、そろそろお前に仕上げをかけなければ…
お前が、お前でなくなる前に お前の器を用意しよう
もう少しで世界は滅ぶ…救うはずのお前が此処に居るのだから、な
一つでもピースが無ければパズルは完成しないし、生命も生まれない
欠けたモノを補う力を人間には与えたはずなのに、其れを自らが消滅させた
馬鹿な生き物だ、人間とは… あぁ、セルジュ、お前は別だ
此れからまた新たな星が生まれるまで、お前と私は共にいよう
歴史が滅ぶカウントダウンは、既に残りわずか…
きっと、お前の其の輝く瞳に、美しい涙が零れるだろう
愛しいセルジュ お前だけは…
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