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貴方が落鳳坡で、流れ弓に当たり、亡くなったと聞いたのは 其れから二日後のことでした…
ホウ統が死んだ、と殿から聞かされても正直、信じられなかった
数日前、元気に「やるだけやってみるさ」と笑って此処を発った貴方
あの時の貴方は、温かかった…
…だけど…
届かぬ想い
離れ小屋の地下にホウ統は安置されていると聞き、其の足で向かった
「此の先に安置されています」
「わかりました…呼ぶまで、二人っきりにさせて下さい…」
出入り口の所に監視兵がいたので、邪魔されないよう、ゆっくりと言い聞かせた
ホウ統に会うのに…邪魔されたくない…
己の幼稚さが見事に表に現れた瞬間だ
少し笑ってしまうが、己はホウ統にしかそういった感情が浮かばないのだ
同期で、仲間 大切な人だった
小部屋の中は暗く、四隅に札が貼ってあった
中央に着飾ったホウ統が眼を瞑って横たわっていた
まるで、ただ眠っているだけのようで…
「ホウ統…?」
声を掛ければ、なんだい?と笑って起きて此方を向いて、抱き締めてくれるような気がした
上手な演技ですね、と笑いあえると…信じて疑わなかった
「ホウ統」
もう一度呼ぶ 今度は強めに…
それでも反応が無いから、傍に寄って頬に触れて、優しく囁くように耳元で…
少しで良い
この手を握り返してくれるだけで良い
貴方を感じたかった
――…だけど
掌からするりと落ちたホウ統の手を見て、何かが壊れた
もう、貴方は居ない
声も、笑顔も、温もりも…全て消えてしまった
顔に触れても首に触れても、熱は無かった。最後の希望として、唯一お互いが一つになれる場所へと指を滑らす
しかし、だが其処は…私に絡みつくモノがあった
どうして?
そんな考えよりも早く、私は恐ろしい欲に駆られていた
己が手に絡んでいる液体を目の当たりにして、其れを舐めてみる
…何度か味わった事のある ホウ統のモノだった…
自分の顔が、歪んでいくのを感じた…
曝された秘所へと二本の指を滑り込ませ、もう片方の手は咥内へ
ほら、こうしていれば 温かみが戻ってくるでしょう?
指は三本へと増えて掻き回す しかし相手は微動だにしない
其れでも微かに漂ってくるホウ統の香りが、最大の禁忌へと奔らせた
気付いた時には、ホウ統の中に欲を注いだ後だった
荒い息遣いしているのは私だけ…
萎えた己のを抜くときですら、彼は震えもしなかった
――嗚呼…本当に
貴方は安らかな顔で、私は涙を零していて
もう、貴方を 愛する事すら出来ない
私を置いて…貴方は飛んでいってしまった
ねぇ、ホウ統
貴方はこんな私を如何思うのでしょう?
死して尚、貴方を犯した私を…
二度と返ってこない其の返事を 只ずっと待っていた
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