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何故かはわからない
理由さえ見つからない
ただ求めていた…自分の心と身体の全てが
その行く先の結末は…
「…こう、めッ…!…ぃッ…」
一番大切な人を穢していた…
大切、其れ以上に言葉で表せないほど守りたい存在だったのです
本当に、無くてはならない人…
私はこんなにも求めていました
遠征に行っている時は何時も貴方の事だけを考えていました
そう、私は狂っているのかもしれません
繋ぎとめておきたい、自分だけを見て欲しい
そんな邪な気持ちが胸を占めていました
けれど、貴方は強い人
私が居なくとも独りで生きていける人
この想いも、衝動も関係なく、貴方は私に接触する
酷い人ですね
滅多に見せない、好きだった貴方の笑顔がこんなにも私を苦しませる
私を私で居させなくする
どうして…
どうしてこんなにも近い存在の筈なのに、分かり合えないのですか?
「孔明。ちょいと話があるんだけどねぇ〜…いいかい?」
警戒もなく、貴方は私に話しかけてくれる
同じ同門の仲だから…蜀の仲間だから…
きっと其れ以上でも以下でもないのでしょう?貴方にとって…
「ええ、平気ですよ。仕事も一段落着きましたし、私室に来ませんか?
良いお酒が手に入ったのですよ。どうです?」
「う〜ん、あっしは酒に強くないんだけどねぇ…上質なヤツなら呑んでみたいしね。お邪魔させてもらうよ」
だから警戒しない
私の頭の中では警報が鳴り止まないのに…
言葉は警報を受け入れない
止められない
部屋に入ると其の足で晩酌の準備をし、貴方は蜀の民の暮らしについて話し始めましたね
作物が良く取れて味も良いと
民の顔も笑顔が多くなったと
お酒を勧めると、少し訝しがって舌先で舐めるように口づけて呑んでいました…
警報が、更に煩く鳴り響いて気分が悪く為ってくる位に大きく…
引き返せ
正気に戻れ
正常な思考が、侵されていくのが判りました
きっと、私の葛藤に気付いたのでしょう。貴方は気遣って手を額に乗せてきました
枷を外した理性は警報を壊し暴走を始めたのを、何処か他人事のように感じたのを最後に、私は…
貴方を穢していました
異変を感じ取った貴方は、私から逃げようとしましたね
震える足が椅子に引っ掛かり、よろめきながら後ずさりする貴方
怯えた眼、可愛くて苛めたくなる色
逃げ場を失った其の場所は窓
鳳雛と呼ばれる貴方を飛び立たせないように、其の手を毟り取って縛り付けた
口づけて、嬲って、恐怖を与えて寝台へと沈めさせました…
其れから今まで、どれ位貴方を愛したのでしょうか?
どれだけ貴方に私を刻み込んだのでしょうか?
溢れる愛液が貴方から零れている、其れだけが繋がっている時間を示してくれる
「ひ……!ぅあ、ああぁ…ッ!!」
泣き顔がどの娼婦より妖艶で、誘う
どうして止められない…?
何故抑えられない…?
気付けば私は涙を流していました
可笑しな話ですよね。犯している私の方も泣いているのですから…
でも、私の涙に気が付いた貴方は、そっと涙を拭いてくれました
ねぇ、どうして貴方はそんなに優しいのですか?
私を、受け入れてくれるのですか?
この想いは何処へ歩めばいいのでしょうか
傷つく心を押し付けられている貴方は、何時か壊れてしまうかもしれませんのに…
それでも望みは貴方だけ…
迷う道に光は無く、暗闇が私を掴む
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