「何を迷う・・・?本初よ。」
「・・・・・・黙れ、外道が・・・ッ!」
そうだ。何を迷っている?
目の前には私を裏切 ると云っている奴が居る。 私の敵になると云っている。 ならば消さなくては。殺さなくては、コイツを放って置けばいつか、私を脅かす存在になる。 そういう奴だ。
乱世の中で生きていける力がある。指導力も・・・ 長年付き合ってきた仲だ。嫌でも感じ取れる。 だから危険なんだ。 なのに、奴に押し付けている小刀を持つ手が震えているのは何故だ・・・?
未だ、乱世は始まっていない。 儂と本初が逢瀬しているのだ。なによりの証拠だ。 こうして、儂が急に現れ、本初を荒らしていくだけなのだがな。
この関係が始まったのは、つい最近の事。 ざわめく世の中を足掛かりにし、名を挙げると本初に告げた時が初めて。 驚きと、焦りと、目の前に立つ怒りに染まる本初が余りにも憐れで。 何も云わず、ただ陵辱した。 何時も強気な本初が涙を浮かべて請う姿に、欲が奔った。 初めてがそうだったから、優しい逢瀬は今までに無い。
今宵も、本初は啼いた。 助けてくれ、と。 もうやめて、と。 ならば何故受け入れると訊いてみれば、お前だから、と云われた。 無意識に誘う本初の悪い癖だ。
そして今・・・ 本初は儂に跨り喉元に刃を向けている。
「どうした?殺さないのか・・・?」
「黙れ、黙れッ!貴様に滅茶苦茶にされた私の気持ちが理解るものか!!」
色素の薄い綺麗な髪が降りかかる。 生暖かい液体も一緒に・・・・・・
「――――泣いているのか、本初よ?」
ゆっくりと頬に手を伸ばすと払われて、涙を浮かべた本初の顔が間近に迫る。
「貴様のせいだ!・・・ッ貴様が、私に・・・・・っ!」
敵に回る事、抱かれた事・・・どちらも本初にとっては重い事実だった。 零れる涙は止まる事無く、曹操の頬や胸板を濡らしていった。 喉元に留まっていた小刀が音を立てて床へと落ちた。
「本初・・・」
「何故だ・・・何故貴様は私の前に立つ・・・?何故そう云っておきながら私を抱いた?」
「本初」
綺麗な双眼だった。 まっすぐに、曹操を見ている。 ゆっくりと、本初を閨へと沈めた。
「今は・・・今だけは、私は・・・」
「儂を見ていろ。そうすれば儂はお前を捕らえて置ける。」
熱の篭った咥内が荒らされるのと同時に、本初の体内に熱が侵入した。
「――――――ッあ」
「・・・・・逃げるな」
近い未来、きっとお前は逃げるから・・・・ だから、今だけは。
「愛している」
Neptuneサマから「逃げられない」曹袁です。
前のサイトにあったもので一番載せ易そうなものをピックアップ(笑 あと1つぐらい昔のをアップしようか迷い中この二人を扱っているサイトサマ少なくて…(涙 自分は作って読むより、作られたものを読む方がドッキドキンするタイプでして←えっ、何この変質的快感者